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住宅ローン返済が困難になった時の対処法

マイホームの購入は、多くの人にとって人生最大の買い物であり、夢の実現でもあります。しかし、その夢を支える住宅ローンは、数十年にわたる長期の返済契約です。契約時には順調だった返済計画も、「会社の業績悪化による減給」「突然の失業」「病気や怪我による長期療養」「教育費の増大」など、予期せぬ人生の変化によって、返済が困難になるケースは決して珍しくありません。
もし、あなたが「今月の返済が苦しい」「このままでは滞納してしまいそうだ」と感じたら、絶対に一人で抱え込まず、そして何よりも「放置」してはいけません。早期に行動を起こせば、取れる選択肢は多く残されています。
この記事では、住宅ローンの返済が困難になった時に取るべき具体的な対処法を、順を追って解説します。
目次
絶対にやってはいけないこと:滞納と放置
まず、最も重要な心構えです。返済が苦しくなった時、絶対にやってはいけないのは「金融機関に連絡せず、返済を滞納する」ことです。
多くの人は、「相談したら何を言われるかわからない」「家を取り上げられるのではないか」という不安から、連絡をためらいがちです。しかし、金融機関が最も懸念するのは「連絡が取れなくなること」です。
滞納を続けると、以下のような深刻な事態に進行します。
- 遅延損害金の発生:返済日の翌日から、年利14%前後(金融機関による)の高い利率で遅延損害金が発生し、返済総額が膨れ上がります。
- 信用情報(ブラックリスト)への登録:通常、2〜3ヶ月の滞納で、信用情報機関に事故情報が登録されます。これにより、将来的なクレジットカードの作成や他のローン契約が極めて困難になります。
- 期限の利益の喪失:滞納が続くと(通常3〜6ヶ月)、金融機関から「期限の利益の喪失通知」が届きます。これは「分割で返済する権利を失った」ことを意味し、ローン残高の一括返済を求められます。
- 競売(けいばい):一括返済が不可能な場合、金融機関は担保となっている自宅を差し押さえ、強制的に売却する「競売」の手続きに入ります。競売での売却価格は市場価格より大幅に安くなることが多く、家を失った上に多額のローン残債が残る最悪のケースになり得ます。
事態が悪化する前に、返済が苦しいと感じた「その時点」で行動することが、自宅と生活を守る最大の鍵となります。
ステップ1:家計の現状を正確に把握する
金融機関に相談する前に、まずは自分自身の状況を客観的に把握する必要があります。「なぜ返済が苦しいのか」「あといくらなら返済できるのか」を明確にしなければ、具体的な相談ができません。
- 収支の洗い出し:直近3ヶ月分ほどの給与明細、預金通帳、クレジットカードの明細などを全て集め、「収入」と「支出」を1円単位で書き出します。
- 支出の削減:支出の中で、削減できるものがないか徹底的に見直します。
- 固定費:生命保険の見直し、スマートフォンの格安プランへの変更、利用していないサブスクリプションの解約、自動車ローンの見直しなど。
- 変動費:外食の頻度、趣味・娯楽費、水道光熱費の節約など。
- 返済可能額の算出:家計を見直した結果、「毎月あといくらあれば返済が継続できるのか」、あるいは「いくらまでなら返済額を下げられるのか」という具体的な金額を算出します。
この「家計の現状」と「削減努力の証拠」は、後述する金融機関との交渉において非常に重要な資料となります。
ステップ2:金融機関(借入先)に相談する
家計の状況が把握できたら、すぐに住宅ローンを借りている金融機関の窓口に相談に行きます。相談の際は、以下の点を正直に、具体的に伝えることが重要です。
- 返済が困難になった理由(例:給与が〇万円下がった、病気で働けない等)
- 家計を見直した結果(ステップ1で作成した資料)
- 今後、返済を継続していく意思があること
- 希望する返済条件の変更(リスケジュール)
金融機関は、返済が滞って競売になるよりも、返済条件を変更してでも最後まで返済してもらう方が望ましいと考えています。誠実に相談すれば、多くの場合、返済条件の変更(リスケジュール)に応じてもらえます。
主なリスケジュールの方法は以下の通りです。
- 返済期間の延長 残りの返済期間を延ばすことで、毎月の返済額を減らす方法です。例えば、残り20年のローンを25年に延ばせば、月々の負担は軽くなります。ただし、返済期間が延びる分、支払う利息の総額は増える点に注意が必要です。
- 元金据え置き(利息のみの支払い) 一時的に返済が困難な場合(例:失業中、療養中など)に有効な方法です。一定期間(例:1〜3年)、元金の返済をストップし、利息部分のみを支払います。これにより月々の負担を大幅に減らせます。ただし、元金は減らないため、据え置き期間終了後の返済額が増加するか、返済期間が延長されます。
- ボーナス払いの見直し ボーナス払いを設定している場合、ボーナスの減額や廃止に伴い、その分を毎月の返済に振り分けたり、ボーナス払い自体をなくしたりする変更です。
ステップ3:公的支援や借り換えを検討する
金融機関との交渉と並行して、他の選択肢も検討します。
- 公的支援制度の活用 失業などが理由で返済が困難な場合、自治体の支援制度が利用できる可能性があります。代表的なものに「住居確保給付金」があります。これは、離職・廃業により住居を失う恐れがある場合に、一定期間、家賃相当額(上限あり)が支給される制度です。住宅ローンの直接的な返済には充てられませんが、家計の他の住居関連費(賃貸の場合)を補うことで、間接的にローン返済の助けになる場合があります。※適用条件は自治体にご確認ください。
- 住宅ローンの借り換え 現在よりも金利の低い他の金融機関の住宅ローンに借り換えることで、月々の返済額を減らす方法です。ただし、借り換えには再度審査が必要であり、手数料も発生します。すでに収入が減少していたり、滞納が始まっていたりすると、審査に通るのが難しくなるため、これは「返済が苦しくなる前」の早い段階で検討すべき対策と言えます。
最終手段:自宅の売却(任意売却)
あらゆる手段を尽くしても返済の継続が困難な場合、最終的な選択肢として「自宅の売却」を検討します。
ここで重要なのは、前述した「競売」を避けることです。競売のデメリットを回避するために「任意売却(にんいばいきゃく)」という方法があります。
任意売却とは、金融機関(債権者)の合意を得た上で、所有者自らの意思で自宅を市場価格に近い価格で売却する方法です。
- 任意売却のメリット:
- 競売よりも高い価格(市場価格)で売却できるため、残るローン残債を減らせる。
- 売却代金の中から、引越し費用などを捻出できる場合がある。
- 競売のように情報が公開されないため、プライバシーが守られる。
任意売却は、競売の手続きが開始される前に、迅速に金融機関や専門家(不動産会社など)に相談する必要があります。
まとめ
住宅ローンの返済が困難になった時、最も大切なのは「早期に」「誠実に」行動することです。不安や焦りから目をそむけず、まずは家計を把握し、金融機関に相談してください。滞納が始まる前であれば、金融機関も柔軟に対応してくれる可能性が格段に高まります。
「返済期間の延長」や「元金据え置き」といった対策で、一時的な危機を乗り越えられるケースは非常に多いです。万が一、返済継続が不可能な場合でも、「任意売却」という手段で、競売という最悪の事態を避け、再スタートを切ることが可能です。
一人で悩まず、専門家や金融機関の力を借りながら、現実的な解決策を見つけていきましょう。
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